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四柱推命 「埋金(まいきん)」について

皆さま こんばんは。

玲月彩良(れいげつ・さら)です。

 

今日はとても風が強い一日でした。

港の町横浜で占い館にでていたのですが、海に繋がる川からの横風がひどくて、

チラシや名刺は外に出せない状態に・・・。

 

花粉もすでに飛んでいるようですし、相変わらず、コロナとインフルエンザも流行っていますので、しばらくはマスクが必需品の日が続きそうです。

 

四柱推命では、絶対暗記の必需品ではなくても、知っていれば一言で命式の状態を表わせる便利な用語がたくさんあります。

 

中身がわかっていなくても、その用語を使うと四柱推命の達人のような響きがあって、私も習いたての素人のときは特別感を出すために、使ったものでした。

 

プロとして活動するようになってからは、なるべくそういった専門用語を使わずに、わかりやすい日常的な表現で、どうしたら理解してもらえるかを常に考えて鑑定結果はお伝えするようにしています。

 

そんな用語の一つに「埋金(まいきん)」があります。

 

埋金とは「日干が庚・辛(金)で、土の五行が強い命式で、日干の金が印星である土に埋没してしまっている状態」のことです。

 

土生金で、金は本来は土から生じられますが、土が多すぎると(特に乾いた土)、金を生じるよりも、主役である金が隠れて埋もれてしまうことになります。

 

その結果、日干=自分自身は自分らしく生きることを妨げられると言われています。

 

一般的には「埋金」は日干に関してあまり良い状態ではないとされています。

 

そのため、通常は「埋金」の状態をいかに取り除くかが重要であり、そのための策が開運の秘訣とされています。

 

ただ、「埋金」の状態、すなわち多すぎる土が自分の身を守るためのセーフティネットになる場合があります。

 

日干が「辛」の人で、火が多すぎる人の場合です。

 

辛は、美しい宝石や貴金属をあらわす十干です。辛は宝石ですから、美しい状態のままで輝いて人の目を楽しませることが使命。そのため、常にピカピカでいるために、海や河川である「壬(みずのえ)」の流れで自分の身を磨いている状態が良いとされます。

 

宝石や貴金属を溶かす火の五行は大の苦手で、特に人口の火である「丁(ひのと)」は天敵のような十干になります。

 

そして自分の輝きを汚してしまい、多すぎると自分を隠してしまう土の五行の「戊(つちのえ)」や「己(つちのと)」も相性が悪い十干になります。

 

ただ土は同時に、火生土となり、辛を溶かしてしまう熱い火を収めてくれる役割ももつ五行です。

 

そして土がないと直火で焙られて黒焦げになってしまう場合も、土があることで火の熱さを避けることができ、蒸し焼きになって歪んでしまっても、黒焦げの最悪の状態は避けることができます。

 

夏生まれや、火が多すぎる辛の命式には、救いも与えてくれるのが土の五行です。

 

土は辛の良さを隠してしまう厄介な五行ですが、その一方で火から辛を守る大切な防波堤にもなります。

 

土が多すぎることは、良いことではないが、悪い状態を軽くするためにの「必要悪」となる場合が実際に存在するのです。

 

埋金の状態が単なる忌神でしかないのか、それとも弱めてくれる救いの部分でもあるのかを、その命式と大運の流れから、しっかりと判断しないといけません。

 

東洋の基本的な考え方である五行論では、絶対的な優劣はありません。

 

すべての五行が相生の関係で生じられ、その一方で相剋の関係ではお互いに抑制しあいます。

 

相生相剋の関係を上手に五行の中で循環させながら、自分の命式のバランスを整えていく作業が、現実を「生きる」ということであり、人の一生の使命でもあります。

 

東洋占術の考え方は、本来はきわめて現実的であり、柔軟性に富んでいると私は学べば学ぶほど、実感しています。

 

四柱推命だけでなく、命術全般には、人が生きていく上で大切なことが、古来からの先人の知恵の結晶として代々受け継がれてきて、今の占術があります。

 

その知恵の継承には敬意を払うべきですが、目の前の命式の持ち主の生きてきた人生にも同じくらい敬意を払うべきだと私は思います。

 

目の前の人の今日よりも少しでも輝く明日のために占いは何ができるか。

 

そのために、古来からの知恵の継承として、四柱推命がそして占いが存在しています。